2010年05月21日

“東静岡 アリーナ計画”から考える「これからのまちづくり」

“東静岡 アリーナ計画”から考える「これからのまちづくり」
静岡市と静岡県の意見が合わないで、もめているようです。

どちらも自分が正しいと思ってのことでしょうから、
静岡市ばかり責めるようなことを言うと異論がありそうですが、
この問題については、静岡県が圧倒的に常識的で、
静岡市は、異常と言えそうです。

新聞報道によると、
静岡市は、県が草薙に体育館を建てようにも建築許可をしないと主張しています。
アリーナがダメなら、体育館もダメだと。
また、市は、市職員にアリーナ建設を要望する署名に協力させて約6,200人の署名を集めたそうです。
署名の全体数はわかりませんが、集まった署名のほとんどが市職員では、
自作自演と言われても仕方ない状況です。
市民のためと思ってさえいれば、
見かけの民意を操作してもよいと考えていると誤解を招きそうです。

静岡県の主張は、
「体育館とアリーナは用途が別。草薙は、総合運動公園機能を持たせる意義がある。
 静岡市は、東静岡をどうしたいのか?」
と明確です。

ちなみに、静岡市のアリーナ建設のメリットは、A4用紙の半分程度。
http://www.city.shizuoka.jp/000078955.pdf
(↑資料の6頁、下のほう)
この中で、現在の草薙体育館は、使用頻度が高いとのこと。だとすれば、ほかのイベントが来たら今まで利用できた県民(市民)は困ると言いたいのでしょうか?
政策提案としては、とても未熟に思えます。
少なくとも、私たち市民に説明不足であることは確かです。

県も主張しているとおり、
「アリーナが悪いわけではありません。アリーナも代替案もしっかり考えて。」です。

この問題は、アリーナだけの問題ではなく、
これからの「静岡市政」の課題がつまっているのでは、ないでしょうか?


地域主権で、地方自治体に大きな権限が来ます。
このとき、政令都市「静岡市」が、自立して豊かな社会を築くには、市役所だけでは不十分だとわかってきました。
自立した、私たち市民が主体的にまちづくりを行う、市と協働したまちづくりが必要です。
(市の憲法と言われる「静岡市自治基本条例」に書いてあるとおり。)


みらい市民会議は、あるべき市民自治とは、市民が政策提案力を持つことだと考えています。
そうした市民提案があって、はじめて地域の課題を解決できると思います。

平成の大合併の先陣を切った静岡市で、市民自治の先陣を切りたいと願っています。



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Posted by みらい市民会議 at 23:33│Comments(7)東静岡アリーナ計画
この記事へのコメント
読売新聞にも記事が掲載され、市役所と関係が深いうちの職場にも署名依頼がありましたが、これってやはり変です。
署名というのは、本来街頭でやるべきだと思います。
Posted by おっち at 2010年05月22日 12:07
>おっちさん

静岡市は、平常心を失っているかのようですね。

総務省の一般論のコメントが、読売新聞に紹介されていますね。
今回は、この一般論は適用されないでしょう。
アリーナの署名は、市が県の施策の推進のために集めるものですから。

よく勘違いされがちですが、今回のアリーナは、「静岡市が、静岡県に作ってもらおう」と言う話です。
川勝知事は、「静岡市がそんなにアリーナが必要ならご自分で作ればいい」と明快なコメントをしています。

 また、署名は、市体育協会ではなく「東静岡地区に多目的アリーナ建設を実現する会」と言う政治的目的を持った団体が実施しています。
この点も、市の関わり方に問題があるのではないでしょうか。

 東静岡は、旧静岡市と旧清水市の合併のとき、新庁舎の位置としたことで、合併を決めさせた場所でした。そのためか、このアリーナ問題は、当初からかなり強引な印象をもって施策が行われてきました。
 なぜ、アリーナなのかの問いには、未だにわたしたち市民には、わかりにくい状況です。静岡県が、それをしっかり指摘したことは、この地区の大きな救いと言えます。

  反省すべきはしっかりと反省し、市民にわかりやすい市政を確立させなければ、「合併」の意義すら活かされないとなってしまうのではないでしょうか?

  それでは特に、旧清水市にとっては、むなしいばかりです。
(もちろん、これは今日のオール静岡市の問題です。)

 みらい市民会議は、これからもまちづくりの情報を発信し、市民が政策力を持てるまちを目指します。ぜひ、これからもご注目ください。そして、できれば月1回の定例会等にお越しください。
 
  みらい市民会議は、まちをよくしようとする市民のエネルギーを必要としています。(市民、市長、市職員、議員さん、興味を持ってくれた方、皆ウエルカムです。)
Posted by みらい市民会議みらい市民会議 at 2010年05月22日 15:15
備忘録として、読売新聞の記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20100519-OYT8T01266.htm

静岡市が署名協力文書
草薙体育館問題 「問題では」指摘の声も
 県草薙総合運動場体育館(静岡市駿河区)の建て替え問題を巡り、静岡市経営企画課が、東静岡地区に多目的アリーナを建設するよう求めて財団法人「静岡市体育協会」などでつくる団体が行っている署名活動への協力を要請する文書を、市の全所属長にあてて出していたことが19日、わかった。署名簿を局ごとに取りまとめて同課に提出することを求め、職員の家族の協力も促す内容となっている。外部の団体が行う活動に公務員が協力する際のあり方として適切かどうか、議論を呼ぶ可能性もある。

 関係者によると、今月7日に開かれた市の局長会議で経営管理局長が出席者に対し、市体育協会が事務局となっている「東静岡地区に多目的アリーナ建設を実現する会」が行っている署名活動に協力するよう要請。これを受け同日付で、各部署の長や独立機関の事務局長に向け、署名活動への協力を要請する経営企画課長名の公文書が出された。

 文書は、同会の署名活動について、「市としても趣旨に賛同し、全面的に協力することになった」としたうえで、「所属職員、その家族の皆さんなどの署名への自主的な協力について配慮くださるようお願いする」との内容。署名簿は局ごとに取りまとめて14日までに同課に提出することや、「一人でも多くの署名をいただきたいため、経営企画課へ提出される前に、提出がない所属課に対しては確認いただけるようお願いします」との文言もある。同課によると、19日の時点で職員ら計約6000人分の署名が集まっているという。

 読売新聞の取材に対し、同課は「(署名自体は)職務時間外にあくまで自主的に協力してほしいという趣旨。アリーナの建設推進は市の方針で、署名への協力依頼は職務とも考えており、問題ない」としている。

 公務員の外部団体の活動へのかかわり方を巡っては、道路特定財源の暫定税率の維持を求めて民間団体が行う署名活動に栃木県職員が協力したことの是非が争われた訴訟で、宇都宮地裁が今年2月、「公務員が特定の私的団体に協力することは、団体の活動目的と自治体の利害が一致する場合であっても、適法な職務行為とは言えない」との判決を出した。

 今回の静岡市のケースについて、総務省公務員課は「一般論としては、勤務時間に市の施策の推進として署名活動に関与することが直ちに違法とは言えない。適切かどうかはケース・バイ・ケースで判断される」との見解を示した。一方、「県オンブズマンネットワーク」に所属する藤森克美弁護士は「市の内部だけならともかく、職員の家族も含めて、市の組織として署名への協力を求めたうえ、(提出の)確認まで行えば実質的に押しつけにつながり、『自主的な署名』に矛盾する。(署名する)個人の信条にも踏み込みかねず、問題ではないか」と指摘している。

(2010年5月20日 読売新聞)
Posted by みらい市民会議みらい市民会議 at 2010年05月22日 15:19
備忘録2 

毎日新聞
http://www.mainichi.jp/area/shizuoka/news/20100501ddlk22010249000c.html

毎日新聞 2010年5月1日 地方版

草薙体育館:移設問題 静岡市体協、東静岡でのアリーナ建設求め署名活動 /静岡
 静岡市体育協会は30日、JR東静岡駅前への多目的アリーナ建設の実現を目指した署名活動を始めた。県営草薙総合運動場(静岡市駿河区)の体育館の移設構想をめぐる県と市の意見の食い違いが背景にあり、静岡市体協の今回の動きは市を後押しする狙いがある。

 体育館の移設問題は老朽化に伴って浮上し、市は、石川嘉延前知事時代から県に対し、体育館機能を併せ持つアリーナを同駅前に建設するよう働きかけてきた。しかし昨年7月に就任した川勝平太知事が隣接地に移設する方針を決めたため、県と市との間で対立が生じている。

 静岡市体協の関宣之専務理事(62)は30日、記者会見を開き、関係団体と「東静岡地区に多目的アリーナ建設を実現する会」を結成したと発表した。また、県に対して「もっと大きな発想をしてほしい」と指摘。国際級のスポーツ大会やコンサートを開催できる1万人収容の施設建設の必要性を唱えた。【平塚雄太】
Posted by みらい市民会議みらい市民会議 at 2010年05月22日 15:23
「県は県で勝手に体育館をつくる。市は市で勝手にアリーナつくれ。」
このような県の主張が本当に「圧倒的に常識的」でしょうか?
そもそもこの問題については、市と何の協議もなく方針を変更した
川勝知事の政治手法にこそ問題があったと思います。
新体育館について、場所・規模・県市の負担割合等緊密に協議すれば
決定的な対立など本来生まれようがないんですよ。
ぶっちゃけた話、県西部が地盤の川勝氏は県中部には極めて冷淡なのです。
 
いずれにせよ、知事には知事の意見があり、市には市の立場があります。
片方を一方的に持ち上げ、もう片方を「異常」と切って捨てるのはどうかと思います。
 
最後になりますが、みらい市民会議さんのご活躍を祈念しています。
Posted by 善吉ファンじゃないけれど at 2010年05月22日 18:38
.>善吉ファンじゃないけれどさん

異常は、言いすぎかもしれませんね。
不愉快に思われた方に、お詫び申し上げます。申し訳ありません。
(市職員に署名を集めさせていることだけをとって、通常ではありえない、通常とは異なるという意味で理解をお願いします。)
静岡市も、静岡市民のことを考えて頂いてのことのわけですから、このことを忘れているかのような表現しないようすべきです。

みらい市民会議では、もしこの話題がもっと盛り上がり、市政への市民参画を進めるため有効であれば、市の担当者にアリーナのメリット・デメリットの分析について、市民に公開で説明する機会をお願いしたいとも思います。

みらい市民会議は、まちづくり(市政を含む)への市民参画を目的としています。
人と人のつながりを大切に、「まちづくりはひとづくり」との考えのもと、これからの静岡市のまちづくりを考えていきます。
Posted by みらい市民会議みらい市民会議 at 2010年05月22日 20:43
備忘録3

(2010年5月27日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20100526-OYT8T01302.htm

草薙体育館問題 署名協力指示認める
静岡市長、担当幹部らを注意
 県草薙総合運動場体育館(静岡市駿河区)の建て替え問題に絡み、静岡市が、東静岡地区へのアリーナ建設を求める団体の署名集めに協力するよう庁内に要請していた問題で、小嶋善吉市長は26日の記者会見で、要請の手法が不適切だったとの考えを示し、担当幹部らに注意したことを明らかにした。小嶋市長自身が、署名活動への協力を職員に促すよう指示したことも認めた。

 会見で小嶋市長は、「今月7日の局長会議で『(団体が)一生懸命やっているので、市として協力した方がいい。自主的に署名するよう訴えかけをしてほしい』と言った」と述べた。

 そのうえで、「職員が強制されるような気持ちになる(要請文書の)出し方はいけない。(署名は)自主的な協力だということを、事前に部課長によく説明しなければ」と述べ、各局で署名簿を取りまとめることなどを求める文書を庁内に回したのは適切でなかったこと、所属長への説明が不十分だったことを認めた。

 この問題で市側はこれまで、「勤務時間外の自主的な署名が前提」と説明してきたが、勤務時間中に要請文書や署名簿が回覧され、上司から提出を督促された――との証言もある。小嶋市長は「(関係する)職員にも注意した。今後こういうことのないように気を配る」と述べた。
Posted by みらい市民会議みらい市民会議 at 2010年06月01日 21:24
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